終活とは、「人生の最後を迎えるにあたっての準備」のことをいいます。
そのため、どうしてもネガティブなイメージを持たれがちですが、後悔しない最期を迎えるためにも、出来るだけ早い段階から準備をすることが大切です。
この記事では、「終活」を始めるメリットや具体的な方法などを詳しくみていきたいと思います。
目次
■終活とは?■終活のメリット
①老後が充実し、前向きな人生を送ることができる
②遺産相続のトラブルを回避できる
③家族への負担を軽減できる
④家族と話し合いができるキッカケとなる
■終活を始めるタイミング
①両親に終活をすすめたい時
②結婚した時や子供が生まれた時
③自分や家族の健康に不安を感じた時
④定年後
■終活の行い方や準備すること
・エンディングノート
・遺言書の作成
・お墓を決める
■終活とは?
終活とは、人生の最期を迎えるための準備です。
自身の死と向き合い、人生の最後を迎えるにあたって必要な準備を行うことを意味しています。
具体的にいうと、身の回りの整理や財産相続の計画、葬儀の準備などが挙げられます。
■終活のメリット
①老後が充実し、前向きな人生を送ることができる
「死」=「人生のゴール」とすれば、曖昧な先行きよりも、今後のことをある程度自身で把握できたほうが、残りの人生を有意義に過ごすことができるでしょう。
漠然とした日々を過ごしていると、老いることへの不安について考えたとしても、具体的にどうすべきか考えられる人は少ないと思います。
しかし、終活をすることで、今自分が不安に思っていることを知ることができ、具体的な行動を取ることができます。
②遺産相続のトラブルを回避できる
遺産相続では金銭が関わるため、「誰がどれだけ受け取るか」が明確になっていないと、大きなトラブルに発展する恐れがあります。
自分が生きているうちに遺言書を残すことはもちろん、相続する相手とも話し合いを進めておくことで、身内間のトラブルを回避することができます。
③家族への負担を軽減できる
もし自分が死んでしまったり、認知症になってしまった場合、家族への負担はできるだけ避けたいと思う方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
終活の中で「エンディングノート」を作成し、自分の希望や意思を伝えることで、生前整理をすることができ、家族への負担を減らすことができます。
④家族と話し合いができるキッカケとなる
終活をすることによって、将来の介護や葬儀、お墓について家族と話し合うことで、お互いの希望や意見のすり合わせをすることができます。
■終活を始めるタイミング
終活を始めるタイミングは無理のない範囲で、できるだけ早い段階で始めておくと安心です。
気力・体力共に少しでも若い段階で進めておけば、精神的や肉体的な負担も少なく、じっくりと取り組むことが可能です。
そのため、最近では50代に入った頃から徐々に始める方も増えてきており、60代を迎えた定年退職後や子育てが一段落した後には、終活を始める方が最も多いと言われています。
もし、ご自身で終活を始めるタイミングが決められないという方には、以下のタイミングをオススメしています。
①両親に終活をすすめたい時
「両親に終活をすすめたい」と思っても、まずは自分が終活について知らなければ相手に対しての説得力がありません。
②結婚した時や子供が生まれた時
必ずしも「終活=高齢者」が行うものではありません。
新しい家族ができるということは、万が一自分に何かあった時に影響を与えてしまう人が増えるということです。
人生の棚卸しという観点から見ても終活を始める良いタイミングと言えます。
③自分や家族の健康に不安を感じた時
終活の項目の中には、医療や介護にかかわる内容も多数あるため、不安を解消する目的で始めても良いでしょう。
④定年後
本人または配偶者の定年退職により、夫婦で過ごすことが増え、お互いの残りの人生や残される子どもたちのことを考えたのが終活のきっかけ、という方も多くいらっしゃいます。
これまでの人生を振り返り、夫婦で話し合い協力して終活を進めることで、夫婦の絆がより深まったというケースもあります。
■終活の行い方や準備すること
実際の終活の行い方や準備することについてみていきます。
・エンディングノート
エンディングノートとは、自身の人生の終わりをテーマとして、家族への思いや死後の希望などをまとめたノートです。 遺言書とは違い、法的な拘束力はないため、自由に作成することが可能です。
〈エンディングノートに書く基本内容〉
・個人情報:生年月日、住所、趣味、好きな食べ物、性格、光熱費やスマホ、その他契約情報など
・医療について:アレルギー、持病、常用している薬、かかりつけの医師など
・亡くなった後について:葬式の規模や場所、使用する遺影、納骨してほしい寺院や霊園など
・相続について:金融機関の情報、保険など
・遺言の有無について
エンディングノートの書き方は自由ですので、人生の思い出や家族への思い、財産や大切なものなど、どのようなテーマでも自由に書き記せます。
市販のノートをエンディングノートとして使用しても構いませんし、文房具屋や葬儀関連のサービス業者にあるものもあるので、ご自身で使いやすいものを選びましょう。
・遺言書の作成
残された家族のためにも遺言書を作成しておくことは非常に大切です。
法的拘束力があるため、相続の希望などを明確に記載しておきましょう。
遺言書には、相続や遺贈したい財産の明記や相続人の決定、遺言内容を実行する人の指名、相続希望の理由などの書くべき項目が複数あります。
注意点としては、方式を守らずに遺言状を作成してしまうと、遺言書自体が無効となり、残された家族にトラブルが起こる可能性もでてきてしまいます。
そういったことを避けるためにも、弁護士や行政書士といった専門家のアドバイスを受けることをオススメします。
・お墓を決める
終活では、自身が入るお墓をあらかじめ決めておくことも大切です。
お墓は、自身の先祖が入っているものや新しく購入して建てるもの、公営の墓地や霊園にあるものなど、種類は多数あります。
自身が納得いくお墓を選ぶためだけではなく、残された家族への負担を減らすためにも、亡くなる前から自分が入るお墓を決めることをオススメします。
家族と入念な打ち合わせを重ねて意見をまとめておきましょう。
もし、新しくお墓を建てる場合は、宗教や宗派によってお墓の形態に違いがあるため、自身が属する宗教・宗派を事前に確かめておくことが必要です。
そして、家族が墓参りに行きやすいような交通アクセスや周辺環境なども考慮することも大切です。
お墓の購入はまとまったお金を要するため、自身や家族の経済状況などにも配慮して希望予算の同意をきちんと得ましょう。