意外と知らない?!職場における弔事のマナー

職場の上司や先輩、同僚やその身内に不幸があった場合、どのような対応をすればいいでしょうか。
弔事への対応は社会人としての常識の1つでもあります。
今回は、職場内においての基本的な弔事のマナーについて解説していきます。




突然の訃報を受けたら

思いがけず、職場の上司や同僚またはその身内の訃報を受けた際は、まずは落ち着いて必要な情報を確認し、その後は上司に報告して指示に従いましょう。


確認が必要な情報

  • 故人の氏名
  • いつ、どこで、亡くなった理由
  • 年齢
  • 喪主の氏名・故人との関係
  • 通夜、葬儀・告別式の日時場所
  • 献花・供物などの可否


葬儀に参列する範囲は?

会社関係の葬儀については、どのような場合に参列するべきか悩まれる方も多いのではないでしょうか。
会社関係といっても、上司の場合もあれば、同僚や部下あるいはその身内など様々なケースがあります。
基本的には会社の方針や所属部署の方々の対応を参考にして判断することが大切です。
ここでは一般的に会社関係の葬儀に参列する場合の対応について見ていきます。


故人が会社関係者の親族の場合

亡くなった方が会社関係者のご両親や配偶者・子供であればできるだけ葬儀に参列しておいた方がいいでしょう。

親族といっても、祖父母や叔父叔母など少し遠い関係の親族の場合、特に面識がないのであれば無理に参列する必要はありません。

尚、参列はお通夜か告別式のどちらかで構いません。
(最近ではお通夜に参列することが多くなっているそうです。)

しかし、会社の代表として参列する場合は、お通夜と告別式の両方、若しくは告別式に出席するのが一般的です。

また、会社関係者でも、あまり面識のない方の場合も参列する必要はありません。
こういった場合は、参列する他の会社関係者に香典を代理で渡してもらうか、後日直接香典を渡すといいでしょう


故人が上司、同僚、部下の場合

故人が自分の上司、同僚、部下の場合は可能な限り葬儀に参列しましょう。
会社関係者の親族の場合同様に、お通夜に参列できないのであれば告別式に参列をします。

また、上司や同僚、部下が亡くなった場合は、会社からお通夜などの参列について指示が出される場合もあるため、その際は指示に従って参列を決定することが必要です。


お通夜に参列する際の服装のマナー

葬儀に参列する際の服装は一般的には喪服を着用します。
ただしお通夜は元々、訃報を聞いて「急いで駆けつける」という位置づけもあり、平服に黒の喪章を着けるだけでも失礼にはなりません。

また、仏教のお通夜なのであれば数珠も忘れないように用意しましょう。
数珠は基本的に貸し借りができないため注意が必要です。


男性

一般の参列者の場合、喪服若しくは準喪服のブラックスーツやダークスーツを着用します。 ワイシャツは白、ネクタイや靴下・靴はすべて黒で統一します。


女性

女性も喪服若しくは黒や地味な色のスーツ・ワンピースが一般的です。 ストッキングは黒、バッグ・靴も黒を選びます。

アクセサリーについては真珠の一連のネックレスと結婚指輪以外は基本的にはマナー違反と言われています。
また、ネイルをしていてオフをする時間がない場合は、グローブをはめたり、上からベージュのネイルポリッシュを塗りましょう。


子供

学生服が礼服となりますが、制服がない場合や小さなお子さんについては、落ち着いた目立たない服装を着用します。

男の子であれば、白のシャツに黒・紺などの地味な色のズボンが一般的です。
女の子の場合は、紺・茶系統の落ち着いた色の派手ではないワンピースなどがいいでしょう。


香典の相場とマナー

お通夜に参列する際は、香典を持参します。
香典を持参する場合は、必ず袱紗に包んでおきます。

香典袋だけの状態で持参したり、袱紗に入れたまま香典を渡すことはマナー違反ですので注意が必要です。
また、香典袋には「御霊前」と表書きすることが必要ですので忘れずに用意しておきましょう。


香典の相場

会社関係での香典の相場は、上司や部下など故人との関係によって異なってきます。
結婚のご祝儀と違って喜ばしいことではないため、大金を包む必要はなく、包むお金も新札ではなく、折り目のついたものを選びます。

また、死や苦という言葉を連想させる4と9といった金額は避けるようにします。


〈上司の場合〉

直接的な会社の上司が亡くなった場合の香典は、一般的には「部下一同」となるケースが多いでしょう。
不公平感をなくすことや連帯感をもたせるためにも、部下全員から同額を集め「〇〇部一同」とします。

故人が上司の場合の香典の金額相場は、5千円~1万円ほどが一般的です。
もし、複数人で出す場合は、500円、1000円など均等に出し合います。


〈同僚の場合〉

故人が同僚である場合の香典の金額相場は、3千円~1万円ほどが一般的です。 複数人で代表を立ててまとめて出すことも可能ですが、合算は1~3万円ほどが適切でしょう。


〈部下の場合〉

故人が部下である場合は、社長などと共に会社代表という形で法要に参列することが多くなります。
香典も状況によっては同僚には出させず、自らと上司で済ませることもあります。

一般的に、故人が部下である場合の香典の金額相場は、3千円~1万円ほどと言われています。
自身の年齢や故人との関わりの深さを加味し相場の中で金額を決めていくことが必要です。


〈上司の親の場合〉

故人が上司の親である場合の香典の金額相場は、5千円~1万円ほどです。
しかし、個別に香典を渡すと『上司に取り入っているのではないか」などと誤解される可能性もあるため、用意するときは会社の方針にしたがうか、社長や同僚と相談して公平に出すといった配慮も必要です。


〈同僚の親〉

故人が上司の親である場合の香典の金額相場は、3千円~1万円ほどです。
この金額は、香典を出す側の年齢によっても左右します。


〈部下の親〉

故人が部下の親である場合の香典の金額相場は、3千円~1万円ほどとなります。
あまり香典の額を多くしてしまうと、親族の額を超えて失礼となってしまう可能性もあるため注意が必要です。


〈上司の親族の場合〉

上司の親族の法要は、あまり足を運びにくいものかもしれません。
上司としても、故人とほぼ接点のない部下が参列するのは戸惑いやすいので、社長などの意向や上司本人の希望にしたがっておくようにしましょう。
故人が上司の親族の場合の香典の金額相場は、3千円~1万円ほどとなります。同僚と相談し、歩調を合わせておきましょう。

【カトリック教徒の葬儀マナーを詳しく解説】横浜市-おりづる葬祭

一般的に私たち日本人が行う葬儀は、仏教の考え方に基づいた「仏式葬儀」になります。
しかし、日本で信仰されている宗教は仏教だけではなく、キリスト教や神道なども存在しています。
仏教の葬儀に出ることが多い人の場合、キリスト教の葬儀に臨席するとなると戸惑うことも多いのではないでしょうか。
キリスト教の葬儀は、仏式葬儀とは大きく異なるところもあるため、葬儀に参列する際はマナー違反にならないよう注意する必要があります。
今回はキリスト教の葬儀、その中でも「カトリック」についてのマナーや特徴などを見ていきたいと思います。




【カトリックにおける葬儀とその特徴】

キリスト教における葬儀は宗教儀礼の1つであり、「葬儀式」と呼ばれています。
本来は仏式葬儀のような通夜の習慣はありませんが、日本においては一般の風習を取り入れて「通夜の祈り」と呼ばれるものが行われる場合もあります。


■カトリックにおける葬儀とは

カトリックにおいて葬儀とは、故人の霊魂はキリストに委ねられ、キリストの再臨と死者の復活を祈るためのものです。
そして、カトリックと仏教の最も大きく異なる点は、「死」に対する考え方です。
仏教においては、死は縁起が悪く、悲しむべきものとして捉えられています。
それに対し、カトリックの死に対する考え方は「永遠の命と生の始まり」を意味し、祝福されるべきものとして捉えられています。


■カトリックの葬儀の特徴

カトリックの葬儀においては「お悔やみ」は述べず、遺族に対しては「安らかな眠りをお祈りいたします」といった言葉をかけます。
そして、カトリックでの葬儀は、故人の臨終を看取ることから始まり、臨終前から神父が立ち会い、塗油の秘跡、聖体拝領などの儀式を行います。
さらに聖書の朗読と神父による説法、およびキリストの血と肉であるとされるワインとパンを捧げるミサなどが執り行われます。
葬儀は故人が属していた教会で行われることが一般的で、葬儀と告別式を別で行います。
葬儀後は、3日目、7日目、30日目に追悼ミサが行われ、更に1年、3年、5年、7年目になると追悼の記念集会も行われます。



【カトリックの葬儀・告別式の流れ】

■カトリックの葬儀の流れ

ここでは一般的な式の流れを紹介いたします。

①入堂聖歌

入堂聖歌と共に神父が入堂します。この際、参列者は起立して迎えます。
棺は一旦入り口で安置され、神父が聖水を注ぎ祈りが捧げられます。その後神父に続き、棺と遺族が入場します。


②開式の辞

神父が祈りの言葉を捧げ、棺に聖水を注ぎ、祭壇と棺に献香します。
その後、開式の辞を述べ、葬儀の開祭を告げた後、着席となります。


③葬儀のミサ

葬儀のミサでは、「言葉の典礼」と「感謝の典礼」が行われます。
「言葉の典礼」では、神父による聖書の朗読と説教が行われ、参列者は祈りを捧げます。
「感謝の典礼」では、遺族が祭壇にパンとぶどう酒を捧げ、信徒が祭壇の前にでて神父から聖体(パン)を受け取ります。
これは「聖体拝領(せいたいはいりょう)」というもので、故人が復活し、永遠の命を得るように祈るという意味があり、葬儀の中で非常に重要な儀式になります。


■カトリックの告別式の流れ

①入堂聖歌

葬儀の場合に同じになります。
告別式は神父の司式で行います。参列者一同で聖歌を歌い、告別式の開式を告げます。


②聖歌斉唱

参列者全員で聖歌を歌い、告別式の開式となります。


③弔辞・弔電紹介

故人の略歴及び弔辞・弔電が紹介されます。


④献花

献花を行う順番は、喪主遺族、親族、一般会葬者の順となります。


⑤遺族あいさつ

喪主が感謝の挨拶を行います。参列者が多い場合には、献花後に退場できるように献花の前に行うこともあります。



マリア像

【カトリックの葬儀における服装】

カトリックの葬儀に参列する際の服装は、基本的には仏式の場合と変わりません。

■女性の場合

女性の場合は派手なものを避け黒の礼服(シンプルなワンピースやスーツ)や喪服を着用するのが良いでしょう。
肌をあまり出さないようにし、夏であっても薄手の長袖を着るのがマナーとなっています。
靴やストッキングも黒のものを選び、ハンカチなどの小物もできる限り黒のものにします。アクセサリーは結婚指輪以外は極力避けましょう。
また、靴は光沢のない黒のパンプスが一般的です。
仏式とは異なり、数珠は使われないので持参は必要ありません。
ただし、カトリック信者の女性の場合は一般の参列者と少し違いがあります。
教会内での正装は黒や紺の帽子と黒や白のベールを着用することが作法とされています。
自分が信者でない場合は、帽子とベールは必要ありません。


■男性の場合

男性の場合も基本的には仏教式と同じで問題ありません。
正装はストライプのズボンに黒のモーニングコートですが、礼服と呼ばれる黒のスーツを着用することが一般的になります。
シャツは白、ネクタイは黒で無地のものを選び、ネクタイピンは外しましょう。
靴や靴下、ベルトやハンカチなどの小物も黒に統一します。
派手なものや光沢のあるものはできるだけ避けましょう。


■子供の場合

子供の場合、決まりはありませんが、学生の場合は制服を着用するのがベストといえます。
制服がない場合、男の子であれば黒・紺などのジャケットに白シャツ、黒ネクタイが望ましいといえるでしょう。
靴は黒で光沢のないもの、靴下は白か黒を選びましょう。
女の子であれば、黒のワンピースなどが良いでしょう。
靴は黒、靴下は白か黒を選びます。
乳児の場合はできるだけ地味な色の服装にし、飾りの派手なものは避けます。



【カトリックの葬儀における挨拶のマナー】

カトリック含むキリスト教では、仏式のような「お悔やみ申し上げます」や「ご冥福をお祈りいたします」という挨拶はしません。
「死は永遠の命を得るものであり祝福されるもの」と捉えているため 「安らかな眠りをお祈りいたします」という表現で挨拶をします。